調布市・狛江市の「多摩川住宅地区の街づくり」の考え方

 現在の多摩川住宅は、調布市及び狛江市内でも高齢化率の特に高い地区となっており、建替えを機会に若い世代の定着を大幅に図り、改善していく必要があります。
 調布市と狛江市の将来人口推計値を基に、両市の高齢化率の推計を行ったところ、平成30年の両市の平均高齢化率は約22.8%になると推測されます。また、両市で行った調査の結果、現在の多摩川住宅居住者数は約6,600人(平成27年1月1日現在)で高齢化率は43.6%でした。現状の多摩川住宅地区を両市の平均高齢化率まで引き下げるには、約8,000人の若い世代の定着が必要となります。
 このことから、将来人口は約14,000人となり、高齢化率を引き下げるために一戸あたりの世帯構成数3.5人を誘導し、若年ファミリー層の定住化に向けた居住水準の高い住宅を供給することを前提として、約2,100戸を新たに創出する必要があります。
 現在は、賃貸棟1,826戸、分譲棟2,048戸であり、新たに創出する住戸を分譲棟だけで生み出し、賃貸棟を除く各街区の供給目標は既存住戸数の約2倍とします。
 これらを前提として、公共公益施設(教育施設関係、福祉関係、コミュニティ関係等)の誘導の検討も必要です。
多摩川住宅の再生には、皆さんが多摩川住宅の将来像を共有し、良好な住環境と自然環境を継承する「多摩川住宅の街づくり」の実現に向け、地区計画制度を用いた街づくりの合意形成が必要となります。

作成:調布市・狛江市(2015.03)